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殊はプリンセス・ロキをバンギャルの群れへ放り込み、「こいつは裏切り者だよ!切り裂いておしまい!」と言い捨て、自らの悪行がバレる前にさっさと立ち去りました。

プリンセス・ロキは恐怖のあまり震えています。
涙は止めどなく流れ、ついには付け睫毛が取れました。
「バンギャル怖い・・・バンギャル怖い・・・」

しかし、継母・殊は、プリンセス・ロキを置いて立ち去るべき森を間違えていたのです。
黒い森ではプリンセス・ロキは非常に好意的に受け入れられました。
なぜなら、プリンセス・ロキの容姿は、黒い森に生息する名古屋系バンギャルの大好物だったからです。
ちょうどその頃は、それまで黒い森を統治していたカリスマ妖精・眞呼様が行方不明となっていた折ですので、なおさらプリンセス・ロキは熱狂的な歓迎を受けました。
(ちなみに、継母・殊がプリンセス・ロキを捨て置いておくべき森は、王国のちょうど反対側に位置している「Soft-Viの森」だったのです。)


プリンセス・ロキは黒い森で温かく迎えられ、新しいカリスマとして毎日楽しく過ごしました。


月日は経ち、ある日のこと。
プリンセス・ロキが黒い森の中をピンヒールで散歩していると、森の外れから素敵なドラムの音色が聞こえてきました。
「あれはなんだろう?」
呟きながら、プリンセス・ロキは音のする方へ向かって行きました。

音はどうやら、ある一本の大きな木のあたりから聞こえてきているようです。
「木からドラムの音・・・?」
不思議に思ったプリンセス・ロキは、さらに木に近付きました。

近付いてみると、その大きな木には、ポッカリ開いたウロがあることが分かりました。
ドラムの音色はどうやらその中から聞こえています。

プリンセス・ロキはそのウロを覗き込んでみました。
するとなんと、ウロの中にドラムセットが生えていて、びっしりとドラムだけで埋め尽くされていたのです。
そしてそのドラムセットの奥には、今までに見たこともない種類のキノコが生えており、どうやらそのキノコが音を奏でているようです。

「なんて不思議な光景だろう。こんなもの、今まで見たことがない!」
未知の生物と遭遇してすっかり感動したプリンセス・ロキは、ウロの中に向かって呼びかけてみました。

プリンセス・ロキ「おつかれっす!」

返答はありません。ドラムの音は止みません。

プリンセス・ロキ「おつかれーーーーっす!!」

ダメです。返答はありません。恍惚のドラムソロが続きます。

プリンセス・ロキ「・・・・・・俺、先輩なんだけど?」

しばしの沈黙の後、けだるげにドラムの音が止みました。

プリンセス・ロキ「とりあえず出てこいよ。俺ピンヒールだから中に入れないんだわ。」

プリンセス・ロキの命令に対して、「はぁ・・・」という溜め息とともに木のウロから出てきたのは・・・
ドワーフならぬド・アークでした。しかも、7人の。

ド・アークとは、一年の間で秋にしか活動せず、それ以外の季節はずっと洞穴の中で眠っている、幻の生き物です。
起きている間は木のウロに生息して黙々とドラムの変態フレーズを叩き続けます。
叩けないフレーズがあるとさらに引き籠って練習し続けるので、湿った木のウロの中に籠っているうちにキノコに変態していきます。
また、唯一起きている秋であっても、面倒なことがあったり不機嫌だったりするとすぐに洞穴に帰ってしまうため、見つけることは非常に困難です。

当然のことながら、プリンセス・ロキがド・アークを見たのも初めてのことでした。
珍しいものに遭遇して嬉しくなったプリンセス・ロキは、思わず飛び出して、ド・アークたちに話しかけました。

ロキ「可愛らしい君たち。どこから来たんだい?」

ド・アークたち「・・・んあぁ・・・「ラルク好き」って言って列車に乗って、寝過ごしたらここに着いちゃったんすよねぇ・・・」

ロキ「さもありなんという話だね。君たちの夢は、何だい?」

ド・アークたち「HYDEになることかなぁ~」

ロキ「朝に哂う夢は叶うものだよ。それで、君たちの名前は?」

ド・アーク①「タムアーク・ライト」

ド・アーク②「タムアーク・レフト」

ド・アーク③「バスドラーク」

ド・アーク④「シンバルアーク」

ド・アーク⑤「スネアーク」

ド・アーク⑥「ハイハットアーク」

ド・アーク⑦「アツト」

ロキ「君たちはいつも一緒なのかい?」

バスドラーク「僕はあんまり連れて行ってもらえないんだ。」

スネアーク「僕はどんな時でも連れて行ってもらってるよ。」

(以下略)

ロキ「とっても素敵な音色だね。君たちと一緒にいても、いいかい?」

ド・アークたち「いーんじゃないすかぁ~?」


プリンセス・ロキはド・アークたちと一緒に暮らすことを決めました。

とは言っても、ド・アークたちの毎日は、演奏しているか寝ているかラーメンを食べるかだけで終わっていたので、プリンセス・ロキは退屈でした。


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