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2010年も年の瀬です。
今年一年を振り返り、心に残る言葉、そしてこれから先にも引き継ぎたい言葉を、考えました。
「お前と狂いたい」
これです。
dieSのボーカル、荒瀬(注:天才)が編み出した名言。
「お前と狂いたい」
これよりも一文字でも少なければ、愛に狂うに足りず。これよりも一文字でも多ければ、胸やけを起こして嫌悪感。
絶妙なバランスをとっている。
ではなぜ、「お前と狂いたい」なのか。
おそらく、助詞「と」に大きな力が秘められていると予想します。
助詞が変わると印象はどのように変わるのか。
・「お前に狂いたい」
「お前と狂いたい」と言う場合、言葉を補足するならば「俺はお前と狂いたい」となります。「お前に狂いたい」の場合も同様に、「俺はお前に狂いたい」です。両者の違いは、「お前と狂いたい」は主体と客体が曖昧ですが、「お前に狂いたい」はそれが特定されている、という点です。「お前と狂いたい」でも、よくよく考えれば「狂っているのはお前と俺」なのですが、同じスピードで同じ程度で一緒に狂っていくので、「誰と」「誰が」「どのくらい」というあたりが明確にならず、曖昧に、しかし強く深く狂っている様子が「なんとなく」読み取れます。特にライブ会場の熱気と人込みの中にあっては、どちらが主体でどちらが客体なのかが分からないほど混沌としているので、「お前と狂いたい」と言われても、ステージの上にいる人も下にいる人たちも分け隔てなく、みんなで狂っちまおうぜ、な雰囲気が盛り上がります。「お前に狂いたい」ですと、「俺は!」「お前に!」「狂いたい!」と強調され、特定のギャの一本釣りのような空気が生まれてしまいます。危険。
・「お前を狂わせたい」
こちらも、主体と客体がより明確になっているパターンです。ただし、「お前を狂わせたい」の文脈では、相対的に主体の方が客体よりも強くなっています。つまり、主体(狂わせる方)のパワーばかりが強調され、客体(狂わせられる方)のパワーは感じられず、むしろ後者は机上に乗ってすらいません。この文の中では客体の力の有無など問題になっていないのです。主体側の意思とパワーと強制力しか、そこにはありません。ナルシストである主体の、自己陶酔と思い込みと自己中心的な妄想が、「お前を狂わせたい」という文の背後にあります。そう、今流行りの自己愛すらも。「お前を狂わせたい」と言われれば、「お前にゃ狂わねーよばーか」と答えますし、ライブで言われたならば「キメェwww」とせせら笑うことでしょう。
・「お前が狂わせた」
言葉を補足するならば「お前が俺を狂わせた」となります。「お前と狂いたい」などと異なり、主体の願望を表した文ではありません。「お前が狂わせた」という事実を述べたものです。しかし、形としては単なる事実を述べているだけですが、事実を述べているだけように見せているだけで、その先にある感情をより強く表現しています。お前が俺を狂わせた、俺はお前に狂っている、お前のことをこれほどまでに思っている俺をどうにかしてくれ、という欲望や渇望につながります。「頼むから、お願い!」という外に発信された願望とは違い、あくまでも主体の中で悶々と渦巻いている欲望をえいっと押し付けたものなので、とても内向的で変質的です。言葉をさらに補足するならば「お前が俺を狂わせた...ブツブツ」といったところでしょうか。
・「お前に狂っている」
上記と同様に、事実を述べた文です。そしてこちらは本当に事実を述べただけの文です。「俺がお前に狂ってるのはお前のせいなんだからお前どーにかしろよ」といった陰湿的な押し付けは(それほど)感じられません。相手の目を見ながら「お前に狂っている」と言うのはバブル期の口説き文句です。それかフランス人か。事実を述べる文は、ライブでの煽り文句に適しません。「お前に狂っている!」と煽られても、握った拳をどう振り挙げてよいのか困ります。デスヴォイスでどのように返答したらよいのか分かりません。「俺も!」でしょうか。間抜けなコールアンドレスポンス。よって、一対一の関係性で使うには適した文ですが、多勢を相手にする場での使用は難しい、ということが分かります。
以上の比較より、「お前と狂いたい」がいかにライブの煽り文句に適しているか、理解できました。
色気がありつつも、色事の現場を感じさせすぎず、
客体として特定名指しされている不快感がなく、
それでいて「狂いたい」という強い願望は伝わり、
結果として、この言葉により一体感が急速に強まる。
すばらしい!
荒瀬すばらしい!
2011年も、荒瀬が紡ぎだす言葉から耳が離せません。
今年一年を振り返り、心に残る言葉、そしてこれから先にも引き継ぎたい言葉を、考えました。
「お前と狂いたい」
これです。
dieSのボーカル、荒瀬(注:天才)が編み出した名言。
「お前と狂いたい」
これよりも一文字でも少なければ、愛に狂うに足りず。これよりも一文字でも多ければ、胸やけを起こして嫌悪感。
絶妙なバランスをとっている。
ではなぜ、「お前と狂いたい」なのか。
おそらく、助詞「と」に大きな力が秘められていると予想します。
助詞が変わると印象はどのように変わるのか。
・「お前に狂いたい」
「お前と狂いたい」と言う場合、言葉を補足するならば「俺はお前と狂いたい」となります。「お前に狂いたい」の場合も同様に、「俺はお前に狂いたい」です。両者の違いは、「お前と狂いたい」は主体と客体が曖昧ですが、「お前に狂いたい」はそれが特定されている、という点です。「お前と狂いたい」でも、よくよく考えれば「狂っているのはお前と俺」なのですが、同じスピードで同じ程度で一緒に狂っていくので、「誰と」「誰が」「どのくらい」というあたりが明確にならず、曖昧に、しかし強く深く狂っている様子が「なんとなく」読み取れます。特にライブ会場の熱気と人込みの中にあっては、どちらが主体でどちらが客体なのかが分からないほど混沌としているので、「お前と狂いたい」と言われても、ステージの上にいる人も下にいる人たちも分け隔てなく、みんなで狂っちまおうぜ、な雰囲気が盛り上がります。「お前に狂いたい」ですと、「俺は!」「お前に!」「狂いたい!」と強調され、特定のギャの一本釣りのような空気が生まれてしまいます。危険。
・「お前を狂わせたい」
こちらも、主体と客体がより明確になっているパターンです。ただし、「お前を狂わせたい」の文脈では、相対的に主体の方が客体よりも強くなっています。つまり、主体(狂わせる方)のパワーばかりが強調され、客体(狂わせられる方)のパワーは感じられず、むしろ後者は机上に乗ってすらいません。この文の中では客体の力の有無など問題になっていないのです。主体側の意思とパワーと強制力しか、そこにはありません。ナルシストである主体の、自己陶酔と思い込みと自己中心的な妄想が、「お前を狂わせたい」という文の背後にあります。そう、今流行りの自己愛すらも。「お前を狂わせたい」と言われれば、「お前にゃ狂わねーよばーか」と答えますし、ライブで言われたならば「キメェwww」とせせら笑うことでしょう。
・「お前が狂わせた」
言葉を補足するならば「お前が俺を狂わせた」となります。「お前と狂いたい」などと異なり、主体の願望を表した文ではありません。「お前が狂わせた」という事実を述べたものです。しかし、形としては単なる事実を述べているだけですが、事実を述べているだけように見せているだけで、その先にある感情をより強く表現しています。お前が俺を狂わせた、俺はお前に狂っている、お前のことをこれほどまでに思っている俺をどうにかしてくれ、という欲望や渇望につながります。「頼むから、お願い!」という外に発信された願望とは違い、あくまでも主体の中で悶々と渦巻いている欲望をえいっと押し付けたものなので、とても内向的で変質的です。言葉をさらに補足するならば「お前が俺を狂わせた...ブツブツ」といったところでしょうか。
・「お前に狂っている」
上記と同様に、事実を述べた文です。そしてこちらは本当に事実を述べただけの文です。「俺がお前に狂ってるのはお前のせいなんだからお前どーにかしろよ」といった陰湿的な押し付けは(それほど)感じられません。相手の目を見ながら「お前に狂っている」と言うのはバブル期の口説き文句です。それかフランス人か。事実を述べる文は、ライブでの煽り文句に適しません。「お前に狂っている!」と煽られても、握った拳をどう振り挙げてよいのか困ります。デスヴォイスでどのように返答したらよいのか分かりません。「俺も!」でしょうか。間抜けなコールアンドレスポンス。よって、一対一の関係性で使うには適した文ですが、多勢を相手にする場での使用は難しい、ということが分かります。
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