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『わたしを離さないで』の方が小説の色が濃かった。

こちらの方が、「これは小説ですよー」、「物語ですよー」という顔をしながらも、実のところは「お前らみんな×××なんだよっ!」と残酷な現実を突きつけてくるような。

読み終わった後、暗闇の中で自分が何かを探して彷徨っている姿が頭から離れませんでした。
酷いこった・・・




ストーリーの筋とは離れたところですが。

サラが言う、
「だけど、あたくし、自分の人生を、感じがよくて丁寧で、だけど事実上なんの価値もない男性に託して無駄にするのが、自分の運命だなんて、受け入れることはできないのよ」
という言葉が、痛い。

痛い。

痛い・・・。

「あたくしの愛情、エネルギー、知性 ―――といっても大したものじゃありませんけど――― のすべてを、ゴルフかシティで債権を売ることに夢中になっているようなつまらない男性のために無駄に使いたくないの。結婚するとしたら、ほんとうに何かに貢献するような人でなくっちゃ。」

そして、サラの言うところの「理想の男性」をつかまえて、結局は堕落して挫折して、その時に彼女が言ったのは
「今は他のものが欲しいの。温かくてあたくしを包みこんでくれるようなもの、あたくしが何をやるとか、どんな人間になるとかに関係なく、戻っていけるものが。ただそこにあるもの、いつでもあるもの。ちょうど明日の空みたいに。そういうものが今は欲しいの。」




タイトルにある「わたしたち」は、他人ごとではありません。

「わたしたち」は「わたしたち」ですよ。
あなたも、わたしも、含まれてる。

みんな何かを求めて流離う孤児です。


あぁぁぁああ・・・

って頭を抱えたくなるような、そんな本。



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