そこにあるもの。

昨日、例によって夜ごはんを食べに行って、語らって、ｵﾘｵﾝﾋﾞｰﾙを飲んでました。




最近の私がいつも包まれているｲﾒｰｼﾞです。


私は今、森の中に立っています。
見上げても空は少ししか見えないほど、緑色が生い茂っています。

足下は、くるぶしまで浸るくらいの沼です。
足の指が見えないくらい濁った水に、足が浸かっています。
森の中の地面は、ずっと、ずっと、その沼です。
沼からは温かくていい香りのする蒸気が上っていて、
立っている私は、その蒸気に包まれてすっかりいい気持ちです。

足下に沼があるのは当たり前のことで、
「足下には何があったっけ？」
「まだ沼はあるかしら？」
と考えることもなく、
それほどまでに沼は原始的で、根本で、そこにあって当たり前のものです。

時折、立ち上ってくる蒸気を敢えて感じることで、
あぁ・・・私は今、沼に立っている
と確認することができます。




そんなｲﾒｰｼﾞを、よく感じます。

街中にいても、ふとした瞬間に現実世界から一歩下がって、このｲﾒｰｼﾞを思い浮かべて身を任せてみます。


このｲﾒｰｼﾞの中での「沼」っていうのは、
端的に言えば「愛」みたいなものかと思っています。

手に入れようと躍起になるものではなく、
存在の有無を確かめるものでもなく、

そこにあるもの

私はそこから派生している


森は野性を表し、
生い茂る木々は母体に包まれる安心感を表し、
蒸気の温かさと香りは居心地の良さを表す。


不安に駆られる必要はない、のではないかと。

私はここにいて、そこにあるものと同居している。
その安定感のｲﾒｰｼﾞを確実に持つこと。




昨日話していて時に、Nさんが「私はｴﾋﾟｿｰﾄﾞに左右されない」と言っていました。
「その人に何ができるとか、何ができないとか、何をしてくれたとか、そういうｴﾋﾟｿｰﾄﾞで気持ちが動いたり変わったりすることはない」

私も同意しました。
話しているうちに、私の同意とNさんの同意とは、意味が少し違っていたことに気付きましたが。

例えば「休みの日にどこかに連れて行って欲しい」とか、「何かをやってあげたら感謝して欲しい」とか。
そういう個別のｴﾋﾟｿｰﾄﾞで、相手への評価を加点したり減点したりすることは、どこか違うのではないかと。
別に恋人に限らず、友人でも家族でも。

私はあくまでも私なので、ｴｺﾞと思われるかもしれないけど、私の手中にあることは私がやることだけなんですよ。
私が誰かに何かを「やってあげた」として、それに対する相手の反応が私の思い通りではなかったとしても、それは私の手の及ぶ範疇外です。
むしろ、相手がそのような反応をしたという結果を含めて、私の行動の一貫なんです。
その、全体の流れ、時間の緩やかな流れを感じることが大事、というか・・・
決して冷めているわけではなく、客観的に俯瞰しているわけでもなくて。
大きな流れに身を任せて、ゆっくりでも少しづつ前に前に進んでいることを感じていると、一つ一つのｴﾋﾟｿｰﾄﾞだけに固執することはなくなると思うんですよ。
そうするとそもそも「やってあげた」という意識も持たなくなる。


だって、そこにあるもの、ですから。

そして、「そこにある」と信じる勇気を、私は持てるか。

確かめたり、試したり、しない。

沼がどこまで続いているか、沼がどれだけ深いか、確かめない。
どんな悪さをしたら沼が枯渇するのか試してみたり、しない。

「そこにある」と信じる。
「そこにあること」を、きちんと感じる。
そして、自分がそれに包まれていることを自覚する。





こんなｽﾋﾟﾘﾁｭｱﾙめいた思考回路は、
最近も引き続き吉本ばななばかり読んでいるからかもしれません。